アイロニ




たったこれだけのことなのに、どうしてこんなにも緊張するんだろう。


好きとか、そんな・・・。


ペンのキャップを閉め、草太くんに返す。


「それじゃあ後でメールするな。


引き止めて悪かった」


「うん」


そのまま去っていく草太くんの背中を見つめる。


掴まれていた右手にはいまだに温もりが残ってる・・・。


全部が初めてのこと。


この複雑な気持ちも・・・。


でも、大切な人ではない。


ただの友達。


・・・そうでなきゃダメなんだ。