足の怪我も治ってきた頃、
相変わらず中庭の見える渡り廊下に行くと草太くんたちは仲良く遊んでいる。
草太くんは怪我をした日以来、毎日のように私のところに来ては
「足大丈夫か?」なんて聞いてくる。
いくら「大丈夫だよ」と答えても必ず次の日も同じことを聞いてくるし、
私が掃除当番のときは私から掃除道具を取り上げて代わりに掃除をする。
そんなことがあると、自然と話す回数と時間は多くなる。
「あ、美桜じゃん。どうしたの」
「ううん。特に用事は無いけど暇だったから」
草太くんは私に気付くと、友達に一言何かを言い私の元に駆け寄ってきた。
「橋本は?」
「今日は委員会があるからさき帰ってていいよって言われたんだけど・・・」
「待つか?」
「そうしようかなって」
「じゃあ、そこに座ろうぜ」
「うん」