アイロニ




あっという間に時間は過ぎ、放課後。


今日は私が掃除当番のため、今は雑巾を持ち水道の前にいる。


「掃除ならあたしがやるよ」


「いいの。夏樹は昨日やったし足怪我してても雑巾がけくらい出来るでしょ」


「でも・・・」


「いいから!夏樹は時間つぶしでもしてて」


「う・・・」


心配性の夏樹はずっと「掃除当番を代わる!」といって聞かなかったため、
無理やりにでもこの場所から遠ざけてみた。


いくら春だからと言っても、まだ3月。


冬が過ぎても空気の寒さは残っているわけで、水道の水はとても冷たく感じる。


体温を奪うかのごとく流れ行く水。


水の冷たさが体の奥底にまで伝わる。


たっぷりと水を含んだ雑巾を力いっぱいに絞り、それをまた大きく広げた。