アイロニ




「美桜」


「何?」


ゼロ距離になっていた私と草太くんとの間に少しの空間ができた。


顔を上げると映し出されたのは、目の周りや鼻が少し赤くなっている草太くんの姿。


大きくて獲物を駆るような鋭い目が私を捕らえる。


いつになく真剣な顔。


何だか緊張してきた。


「一回しか言わないから」


「わかった」


目を閉じ、深く、深く、酸素を吸い込み二酸化炭素を吐き出すと、また私を見る。


「好きなんだけど、付き合ってくれませんか」


「え・・・」


突然の告白で、自分の声とは思えないようなものが口からこぼれ出た。