アイロニ




前へと一歩踏み出し伸ばした手で草太くんの手をとった。


「っ!!」


「ほら、草太くんの手温かい」


「・・・?」


「優しい証拠。私知ってるから・・・草太くんの優しいところちゃんと知ってる」


草太くんと繋いだ手を見つめる。


骨張って怪我がたくさんあって、ひと回りも大きな手。


その手の上に、何かが零れ落ちた。


それを確かめようと顔を上に上げようとしたとき、肩に草太くんの頭が乗っかった。


髪の毛がワサワサしてて、それが顔に当たるのがくすぐったい。


「草太くん?」


「・・・ありがとう」


「何が?」


「俺のことをちゃんと見てくれた」


肩が少しずつ濡れていくのがわかる。


耳元で聞こえる声も鼻声だ。