アイロニ




前にも一度だけあった。


草太くんに会いたくて海まで走ってきたとき、
歩けなくなった私をバイクで家まで送ってくれた。


でも私は一度だって草太くんに家の場所を教えたことなんて無かった。


ならあの場所だってきっと知っているんじゃないのかな?


そうじゃなきゃ罪滅ぼしなんてできないんじゃない?


あの言葉に心当たりのある、あの場所へと足を運ぶことにした。


今年はまだいけていなかったから、ちょうどよかったのかもしれない。


なんて思いながら再び電車に乗る。


今度はさっきよりも長い時間電車に揺れる。


その間に乱れた呼吸を整える。


ローファーで走っていたため、靴擦れを起こし足の指がヒリヒリと痛む。


座席に座り足の痛みを和らげようと、優しく揉み解す。


徐々に近づいてきた、駅。


一年ぶりにやってきた。