アイロニ




「あ、ありがとう・・・」


「・・・ん」


次に被せられたのはヘルメット。
なんだか気まずくて少しだけ草太くんの服を握っていると、
その手は草太くんに握られ前にまわされた。


しっかりつかまれってことか・・・。


その合図どおり靴を片手で持ち靴を持っているほうの
手首をあいている手でつかんだ。


距離がぐっと縮まる。


顔を海のほうに傾けると、眩しく光る太陽。


バイクが走り出す。


ただ何も話さずに流れる景色を見るだけ。


しばらくすると、家に着いた。


「ここで合ってるか?」


「うん。ありがとう」


家の場所を教えたことは一度も無い。


だけど何も言ってなくても家まで連れてきてくれた。