アイロニ




一瞬、視界が真っ白になったとき隣の部屋に人影が映った。


暗い部屋だから顔なんてよく見えない。


赤がたくさんついた包丁を持った男の人。


私を見つけても近寄ってくるわけでもなく、ただ笑ってた。


汚い歯並びでこっちを見て笑う。


それが不気味だった。


男はしばらくするとそのまま外へ逃げていった。


全身の力が抜け、水溜りに座り込む。


染み込んでくる赤。


まだ少し温かい。


気持ち悪い。