アイロニ




もう一度目を覚ます。


するとあたりは見慣れた帰り道。


雨で濡れたアスファルト。


曇天模様の空。


傘に当たる雨音。


「帰らなきゃ・・・」


自然と口が動き、思ってもいない言葉が出る。


手足もまるで自分のものでない、操り人形のように勝手に動く。


家に帰る途中、あるお店のガラスに自分の姿が映る。


「あれ・・・?」


どうして中学の制服なんて着てるんだろう・・・。


学校指定の鞄を肩から提げている。


でもそんなことを考える暇もなく、体は動く。


この時間、まだ外に人がいてもおかしくないのに誰一人として見つけることが出来ない。


それどころか人の気配すらない。