アイロニ




草太くんには帰れといわれたけれど、素直に帰るわけにはいかない。


急いで後を追い、下からは見えない高台からふたつのグループを覗いた。


「は・・・はっ・・・」


少し走っただけなのに息が上がる。


呼吸を整えながら、息を殺して見守る。


「おい!てめぇら!!今日こそ決着つけてやるよ!!!」


相手の総長だろうか・・・。


とても喧嘩っ早そうな人が大声を上げる。


それに対して、草太くんは冷静に言い返す。


「来いよ。前みたいに蹴散らしてやる」


それが相手側の癇に障ったのか、
その言葉を合図に皆バイクから飛び降り抗争が始まった。


胸が締め付けられる。


目の前で大勢の人が喧嘩をして、多くの血が流れてる。


血・・・。


ダメだ、気持ち悪い・・・。


気分が悪くなり、その場に蹲ると後ろに誰か来ていたことに気付かなかった。