アイロニ




全く別人のようだ。


顔つきが怖い。


それに今の会話を聞いていたらなんとなくわかる。


今から喧嘩をしに行くんだろう。


止めてほしい。


喧嘩に勝つとか負けるとかじゃなくて、草太くんに傷ついて欲しくない。


「草太くん!」


以前までつけていたヘルメットをつけずに、
バイクで走り出そうとした草太くんを呼び止める。


「本当にこれでいいの・・・?これで何を守れるの・・・?」


「・・・・・・」


草太くんは私の問いに答えずに無言のまま走り出した。


バイクの向かう方向は、坂を下りた海岸沿いの広い道路。


なにか金属が硬いものとぶつかり合って出る金属音が聞こえる。


まさか鉄パイプ・・・?


不安が一気に増す。