写真の中の氷雨は、やっぱりあの日感じたそのままに、
キラキラしてて笑顔が優しかった。
「氷雨さんから連絡は?」
カップをソーサーにおろして、
ゆっくりと話す和花ちゃん。
「氷雨どうしてるのかな?
今日も連絡つかないよ」
「妃彩ちゃん」
私の名を呼んで和花ちゃんは近づいてきて
ギュっと抱きしめた。
「私も兄にきいてみるから。
だけど最近、兄も忙しいみたいで捕まらないのよね」
和花ちゃんはそうやって言ってくれたけど、
朔良さんはいつも忙しそうだよ。
朔良さんや和花ちゃんに迷惑かけないようにしなきゃ。
氷雨に怒られないように、
心配されないようにちゃんと生活してなきゃ。
氷雨と連絡がとれない時間は
私を孤独の時間へと凍らせていく。
ねぇ、氷雨……早く帰って来て。
そして私を包み込んで……。
祈りながら、過ぎていく日々はあまりにも寂しくて。