翼の家について
先に口を開いたのは翼。

「日直にしては遅すぎ。」

「うん。ごめん」

「ひとり?」

「クラスの…桐山あ、旭がいた…」

わかってる、あたしは次殴られる。
毎回毎回、嫉妬して殴られる

…ボコッ

肌が殴られる鈍い音。

「…いった…ッ」

やっぱ何回受けてもこれだけは慣れない…

「…ごめん、今日かえ…ボコッ

「俺の悲しさわかってる?ふざけんな…」

…ボコッ…

「…ゲホッ、」

溝に入って吐き気がした。
(このままじゃ、殺される)
そう思ったあたしは翼を押し倒して
残った力で翼の家を出た。