「ったく、今日だけだからな。」


美加は翔の言葉を軽く受け流し「はいはい」と答える。


「てか、なんで今日綾香休みなんだ?」


美加に尋ねると美加も首を傾げながら言った。


「よくわかんないんだよね。学校にも連絡ないみたいだし。ライン送っても返事ないからさ」


「ふ~ん、まぁ体調不良かなんかだろ」


「だと思うけどね。でも、昨日までは元気だったし、今日の放課後カラオケ行く約束してたのに無断欠席だからちょっと心配なんだよね」


「帰りにでも綾香の家寄ってみればいんじゃねぇか?」


翔がそう言うと裕也は待ってたかの如くはしゃぎだした。


「まじ!?俺も綾香の家行きたい!皆で行こうぜ!」


「裕也・・。お前2回もフラレてるんだから期待するだけ無駄だぞ?」


「う、うるせえ!俺は諦めねぇんだよ!」


「まぁいいか。じゃ、放課後に3人で様子を見にいくか」


そうこうしている内にお昼休みの終了を告げるベルが鳴った。


空腹が満たされ、午後の授業も翔は静かに眠りについた。


6限目の終了のベルに起こされ翔は帰り支度を整えていると美加が近づいてくるのが見える。


翔の机に着くなり急かすような仕草をとりだす。


「翔早くして!先言っちゃうよ?」


「先行くなら勝手にどうぞ」


翔がそっけなくあしらうと美加は頬を膨らませて少し悲しそうに「翔、冷たいね」と呟いた。


翔はその表情にすこしドキっとし、「冗談だよ、ばーか。ほらいくぞ。」と言い美加の腕を引っ張った。