「…俺、お前に殴られて気づいた」 「えっ…?」 「もう二度とあんなことしねぇから」 「…ほんとに?」 「ほんと」 「約束する?」 「する」 あたしは小指を差し出した。 …子供っぽいけど、指切りしようかなって。 すると、龍崎の小指とあたしの小指が重なった。 あたしはギュッと握った。 龍崎もギュッとしてきた。 「俺、絶対お前を惚れさせてやるよ」 「え…」 そう言って龍崎はまたあたしを強く、優しく、抱き締めた。 …今だけは、いいかなって思った。