風が強く、髪が揺れる。
「…寒くねぇか?」
「うん」
…意外と優しいとこあるんだ。
…なんか、似合わないな。
あたしはクスッと笑った。
「…何笑ってんだよ」
「ふふっ。…何でもない」
ほんとはコイツ、悪い奴じゃないのかな…?
着いたのは、ゲーセン。
ヤンキーはよく行ってそう。
「…おっ、玲於じゃん!」
「おぅ」
龍崎は知り合いらしきヤンキーとハイタッチする。
顔が広いのかな?
「…あれ?後ろの女はコレか?」
そう言って、知り合いのヤンキーは小指を立てる。
「違います!違います!」
「マジ?じゃあ、俺が…ぐっ」
「へっ!?」
気づいたら、龍崎は知り合いのヤンキーの胸倉を掴んでいた。
「じょ、冗談に決まってんだろ!」
「冗談でも言うんじゃねぇよ!」
「相変わらず怖ぇな、玲於は」
…周りのヤンキーからも恐れられてるのかな?
…どんだけすごいんだ?コイツは。

