「そこで、俺は団長に見つけられて、こうやってサーカスに置いてくれた。感謝してもしきれねぇんだ!」
ニカッと笑うカイが、本当に団長さんを好きなのが分かった。
「カイは、見つけてもらえたんだね、大切な人に…」
ずっと辛いままじゃなくて、一人ぼっちじゃなくて良かった。それは寂しいから……
「この義足も、団長にもらったんだ。こうして、自由に走り回れるのも、団長のおかげだ」
「それは、大切なものなんだね」
カイにとって、自由を与えただけじゃない。心を満たしてくれた、宝物に違いないんだ。
「ああ!だから、雫の力になりたいって思った。俺も、誰かに救われた一人だからさ」
「カイ………」
捨てられても、また誰かに救われて、今度はカイが私を助けてくれた。
強い人なんだな……カイは。


