◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~



「そこで、俺は団長に見つけられて、こうやってサーカスに置いてくれた。感謝してもしきれねぇんだ!」



ニカッと笑うカイが、本当に団長さんを好きなのが分かった。


「カイは、見つけてもらえたんだね、大切な人に…」



ずっと辛いままじゃなくて、一人ぼっちじゃなくて良かった。それは寂しいから……



「この義足も、団長にもらったんだ。こうして、自由に走り回れるのも、団長のおかげだ」


「それは、大切なものなんだね」



カイにとって、自由を与えただけじゃない。心を満たしてくれた、宝物に違いないんだ。



「ああ!だから、雫の力になりたいって思った。俺も、誰かに救われた一人だからさ」


「カイ………」


捨てられても、また誰かに救われて、今度はカイが私を助けてくれた。


強い人なんだな……カイは。