◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~




「ほら、しっかりして?あなたが動揺してどうするの?」

「え!?あ、そうだよな!すまん!」


何故か私が励まし、少年は深々と深呼吸する。



「よし!じゃあ、仕切り直して。お嬢さん、大丈夫か!?」


「今さら!?」



なんというか、彼は常人とは遥かに斜め上をゆく思考の持ち主のようだ。



「困ってたんだろ??」


「それはまぁ、そうなんだけど………」


改めて問われ、思い出す。


そうだ、私は今ひとりぼっちなんだ………。この、わけの分からない世界に、ただ一人。


また気分が沈んでいく私に気づいたのか、少年は慌てる。



「俺、カイって言うんだ。お嬢さんは??」

「あ……と、佐藤 雫」


それを聞いたカイは、私に笑顔を向け、手を引く。