「仕事ではあんなに完璧なのに、素の優子さんってかわいい。きっと山並さんだって優子さんのこと好きですよ! あんな優しい目で優子さんのこと見てるんですから! 」
うんうんと腕を組んで、ミオちゃんが頷いている。
「山並さんが男らしく優子さんに迫ればいいんです。帰ってきたら、あたしからもようく言い聞かせますから。相談ならいつでも聞きますよ? 」
ぽんと胸をひとつ叩いて、首を傾げてみせる。こういった可愛らしさは自分にないので、うらやましい。
「ご飯食べにいきましょう! 今日にでも! 」
「いいなぁ、女子会。あたしも混ぜて」
気がつくと、花の搬入できていた沙那さんだった。
「いいでしょう、同士よ。山並作戦の打ち合わせを開催します。場所はここから近い洋風居酒屋で7時からです」
ミオちゃんと沙那さんは通じあうものがあるらしく、頷いた。ふんふんと鼻歌を歌いながらミオちゃんが去っていくと、沙那さんは私のジャケットのポケットを見た。



