雨上がりの虹のむこうに



 真剣な瞳で、私の手を取った腕は震えていて、どれだけの思いを口にしたのかがわかる。


「お願い、YESと言って……」


 ぎゅっと握られた力が強くなる。

 震えが、つたわる。



 私、隼人さんのこと、どう思ってる?



 出会ってからの出来事が怒涛のように押し寄せて、戸惑いを流していく。


 私も好きだった。小さな頃の初恋は、隼人さんだったと言っていい。


 だから身分違いだとわかった時のショックは大きかったし、関わり合えないと思った時は悲しかった。


 両親が亡くなってからは、一番近くで支えてくれて、なにかと私のことを気にかけてくれた。


 両親のかわりに、クリスマスやお正月を一緒に過ごしてくれたことだって何度もある。


 ………それでも