『これからベースキャンプまでヘリを使って行きます』
その写真には、山並さんが写ってはいなくて
、画面のこちら側でファインダーを覗く山並さんを想像するしかなかった。
それでも、不器用な背中を向けている姿が、写真との間にあるような気がして、きゅっと愛おしくなった。
抱きしめられるなら、その背中を抱きしめてあげたい。
まだ出会って数ヶ月でしかない山並さんが、いつの間にか心の中深く息づいていてドキリとする。
遠く離れて、その存在を感じることができるのがこのブログだけになってしまっていても、心は山並さんのことを想って、遠いマッキンリーまで旅をしてしまう。
どうか、無事に。
そう願いながら、パソコンの電源を落とした。



