雨上がりの虹のむこうに



「ほんのしばらくの間だけです。居なくなるのは」

 過酷な環境の場所に行くのに、ほんの近所のコンビニへ行くかのようだった。山並さんからしたら、近所のコンビニのように山が身近なものなのかもしれない。

「帰ってきたら、話を聞いてください」

 山並さんの言葉に、ただ頷くことしかできなかった。瞳にできた表面張力の膜は、なんとか現状を保っているだけで、なにかのきっかけで崩壊してしまいそうだった。