雨上がりの虹のむこうに


 アルバムを閉じようとして、最後のページに花嫁と向き合って笑っている私の姿があった。

 お客様を見送られて、最後に感謝の言葉をもらっている時の写真だった。写真に撮られたことはなかったので、楽しそうに笑う自分の姿を初めて見ることになった。

 山並さんたら、気づかないうちにこんな写真まで撮っていたなんて……


「どうですか? 」

 待てをしているかのように、山並さんは待っていた。心配そうな目をするくらいなら、使ってもいいか聞いたらよかったのに。

「私の写真まで撮っていたなんて知りませんでした」

 困ったように山並さんがアルバムを見る。

「とても良く撮れたので、使わないと勿体ないですよ」

「でもお客様のお式なのに、私の写真なんて……」

 これは見本としてこちらに置かせてもらう分にして、お客様には違う写真と入れ替えたものを用意したほうがいいのかもしれない。

「お客様には聞いてみました。品川さんの写真を使ってもいいかどうか。二つ返事で快諾してくれましたよ」

「そんな! 私には聞いてくれないのに……」