雨上がりの虹のむこうに




 大使館につくと、大使、奥様それからミシェルと他の使用人達が待っていてくれた。

「遅くなってすみません」

 そう言った私を奥様がしっかりと抱きしめてくれた。

「ユウコ、大丈夫? 顔色が良くないワ。辛い思いをしたわね」

「父や母がご迷惑をかけてしまって、すみませんでした」

「なに言うの。タカオもユカリも、望んでしたことではないデショウ。悪くナイ。ユウコが気にや病むことナイ」

 しっかりと目を見つめて、私を励ましてくれる。私も頑張って顔を笑えているように整える。

「ユウコ、お腹すいたデショウ。ご飯食べなサイ」

 確かにお腹がすいていておかしくない時間なのに、いろいろあって食事どころではなかった。大使やミシェルを見ると頷いてくれたので、、食べなさいという意味らしかった。

 使用人の木村さんがテーブルにサンドイッチと飲み物を用意してくれて、座るように促してくれる。


「ユウコ、ご飯食べて元気ダシテ。ワタシがユウコのために作ったノヨ」