苦笑いをした丸山さんがお嬢様が困っていますよ、と言ってもなかなか離してくれなかった。トイレに行きたいから、と言ってやっと離れた。
「ゆうちゃん泣きたくなったら、すぐ言って。僕のいない所で泣いたらダメだよ」
ふわふわした髪をしているので、大型犬のワンコみたいだ。きゅーんと鳴いて寂しそうにしていると、なでたくなる。
「大丈夫。ちょっと電話もしてきます」
さすがにトイレまで付いては来ないけれど、トイレの前までならいいですか? みたいな顔をしている。でも、そんなことは首根っこをつかんだ丸山さんが許しはしないだろう。
いろいろ考えて、最初に大使に電話をする事にした。コール二回、すぐに大使が出てくれる。
『どう? 優子、困ったことはない? 』
優しい大使の言葉に思わず、涙がこぼれた。
「……大丈夫。隼人さんが来てくれて、丸山さんがみんな手配してくれました」
『大丈夫じゃないでしょう。辛い、悲しい、言わないとわからない。優子も日本人もやせ我慢が美徳だと思ってる。それともワタシは頼りにならない? 』
「ううん。違います、大使。お父さんもお母さんもいなくなっちゃつたから、私がしっかりしないと」
「ゆうちゃん泣きたくなったら、すぐ言って。僕のいない所で泣いたらダメだよ」
ふわふわした髪をしているので、大型犬のワンコみたいだ。きゅーんと鳴いて寂しそうにしていると、なでたくなる。
「大丈夫。ちょっと電話もしてきます」
さすがにトイレまで付いては来ないけれど、トイレの前までならいいですか? みたいな顔をしている。でも、そんなことは首根っこをつかんだ丸山さんが許しはしないだろう。
いろいろ考えて、最初に大使に電話をする事にした。コール二回、すぐに大使が出てくれる。
『どう? 優子、困ったことはない? 』
優しい大使の言葉に思わず、涙がこぼれた。
「……大丈夫。隼人さんが来てくれて、丸山さんがみんな手配してくれました」
『大丈夫じゃないでしょう。辛い、悲しい、言わないとわからない。優子も日本人もやせ我慢が美徳だと思ってる。それともワタシは頼りにならない? 』
「ううん。違います、大使。お父さんもお母さんもいなくなっちゃつたから、私がしっかりしないと」



