雨上がりの虹のむこうに

「そんなの、わかんない! 」

 そう言って膨れた私を慰めてくれたのは隼人さんだった。

「今は、僕が子供だからゆうちゃんに何もしてあげられないけど、大人になったら、なんでもしてあげる」

「ほんとだよ、約束ね」

「大人になったら結婚してね」

「ずっと一緒にいようね」



 まだ子供だった頃の約束なのに、まるで昨日のことのような気がする。

 今日が昨日になって、明日が今日になっていくように月日がたつと、私にもだんだん自分の置かれた境遇というものが理解できるようになってきた。

 それは高級とされる外車が家の前に横付けされ、ミシェルの友達が降りてくることや、海外からのお客様をもてなすために、父が料理をすることなどで……


 今日も、昨日と変わりなく過ぎるはずだったある一日、私はその話を学校で聞いた。





「すぐに花村病院まで行きなさい、。ご両親が交通事故にあってそこに運ばれたそうだ」