隼人さんと食事をした後は、いつも落ち込む。

 隼人さんは、私を元気づけようとして食事に誘ってくれているんだろうに、私は昔の楽しかった頃のことばかり思い出してしまう。


 

 そんな時は、ウエディング施設の秘密の部屋へと来てしまう。

 この鍵を持っているのは、私だけ。

 鍵を開けて部屋に入ると、七年前と変わらない自分の部屋が現れる。ベットもカーテンも変えていないし、これから変える予定もない。


 この部屋は、七年前から時が止まっている。ただその頃と違うのは、部屋の片隅に父と母の
思い出が置いてあることくらいだ。
 

 七年前、私は父と母を同時に亡くした。


 その頃この建物は、大使館としての使われていて、父は住み込みの料理人、母は住み込みのメイドだった。