次のブログはアタックキャンプでバックアップしてくれている隊員からのもので、順調に進んでいるとの報告だった。標高5600メートル。計測器の数値も載っていた。
とれだけ調べたとしても、そのどれもが全く同じではない。個々の登山隊の様子、天候、他の登山者などの兼ね合い、そんなもろもろの不確定要素が状況を変えてしまう。
絶対なんて無いからだ。
ぶるぶると体が震えてしまう。怖い、途轍もない怖さが体を襲って指の先から熱を奪い、体が冷え切ってしまう。
怖かった時に『いつでも呼んで』そう言ってくれた顔が浮かぶ。ずっとずっとそばに居てくれた人。
それでも私はその人の手を取ることをしなかった。だからどんなに怖くても、もう二度とその人に甘えることなんて出来ない。
ウエディング施設の二階にあるこの部屋には、両親の思い出がたくさん詰まっていて、弱くて脆い私を励ましてくれるように包み込んでくれていた。