「お父さん…」


お母さんが心配そうにお父さんを見つめる。


「拓磨くん。子供を育てるということはそんなに簡単なことじゃないんだぞ。それに拓磨くんだって、やりたいことだってまだたくさんあるだろう?」


「そんなことはわかっています。俺、やりたいことは確かにありました。でもやっぱり俺はさあいの方が大切なんです。」


「お父さん、私はあの子達を応援してあげたい」


お母さん……!!

拓磨は、頭を下げたままだ。


「拓磨くん。頭をあげなさい」

拓磨はゆっくり頭をあげた。

「拓磨くん、本当に信用して大丈夫なのかね?さあいを幸せにできるのか?」

「はい、さあいと子供はなにがあっても、俺が守ります」

「さあい、お前たちには負けたよ。頑張りなさい。拓磨くんも今日は帰りなさい」


「ありがとうございます!!!」


それで3時間位に渡る話し合いはおわった。

「拓磨、ありがとう、ほんとにありがとう…」

「さあい、これから頑張ろうな。明日か大丈夫か?俺の親のとこに行かないと」


「大丈夫。明日拓磨のお母さんに話そう?」

「おう、じゃあ、俺帰るな」

「うん、明日ね。」


拓磨は帰っていった。