マウンド


大翔先輩は恐らく、花恋より小さいのだ。
花恋もどうしてこんな人を…。

「うるせーよ。
これから伸びんだよ、これから!」

「伸びるといいっすね。」

きっと伸びないな。
うん、うん。

それよりも、大翔先輩の傍らにいる人が気になる。
すごくジロジロ見られる。

「あの、どうかしましたか?
私、何かついてます?」

質問すると傍らにいる人が

「あ、い、いや何もないよ。」

????
どうしたのかな。
まぁ、いっか。

「あ、そうそう。
海音。これが俺の彼女の新谷花恋。」

「へー。この子ね。」

かいと、っていうんだ。

「あ、こいつ、大谷海音。
流那、名前知らないだろ。
ちなみに、彼女募集中なっ!」

大翔先輩が私に向かって言う。

「余計な事言ってんなよ!
困ってんだろ!」

何か、面白い。

「へへっ。面白いっすね、先輩達。
真田流那って言います。
よろしくっす。」