トン…トン…………トン…トン…







昼間ならその足音は疎か、気配にまで気づかなかっただろう。



町民が寝静まった夜だからこそ、ゆっくりと微かに何者かが近づいてくる足音が聞こえた。








(まさか、もう…奴等が……!?)







……生憎、その者がいる場所は足音と反対側の道は行き止まりで、今は物陰に隠れている状態だったのだ。




どうすることもできない状況下に置かれ、
その者の全身に緊張が駆け巡る。









…トン…トン…トン………





その足音は見えない筈なのに、誰かが居るのを確信しているように更にその者に近づいていく。