ヒソヒソヒソヒソ

「ねぇっ龍
別に手を繋がなくてもいいよ」


さっきからずっと龍は、私の手を繋いだまま教室まで行ったので皆の注目を集めてる

こっちを見てヒソヒソと話している


何となく手を繋いでるからだけじゃないと思うんだよね……注目を集めてるの

だって、
私みたいな浮いた存在とイケメンの龍と手を繋いでたら変に思うよね


「おいっ早くとってこい」

「…っう、うん
行ってくる…ね」

そう言ったはいいが、少し怖いな

私が
アルビノだと知ると皆の態度がまるで変わる

異物を……いや異形を見るような視線が私に突き刺さり
私を否定するような言葉ばかり言う


また、
あの視線・暴言が来ると思うと震えが出てきた


「っち
しょうがないな…」

舌打ちが聞こえ、
その言葉と同時に私を引っ張り一緒に教室へ入ってくれた


ザワッ

私達が入ったと同時に教室中がざわめいた
そんなことはお構いなしに龍は、

「雪音、お前の席は何処だ?」

そう聞いてきた

「あそこの席…」

廊下側の後ろの席だ

太陽に極力当たらない席…学校側の配慮でいつもその席が私の場所になってる

「そうか、なら早く帰る支度をしろ
待っててやるから」


「うん。わかった」


私は、
急いで鞄に必要なものを詰め込んだ

「準備できたか」


「うん。でき「なら行くぞ」」

私が言い終わる前に龍が素っ気なく言った


ん?行くぞ??


「……えっと何処に?」

訳がわからず問いかけてみると
龍は、答えてくれないまま教室から出ていった