なんなんだろう。
この気持ち。
自分が思っている気持ちが、分からないなんて…変なの。
アイツと話しをするとき、ドキドキする自分が居て、ドクドクする自分も居て…
先輩を好きになった時と同じ感覚が…リズムよく私の体の中に流れている。
「それって好きってことなんじゃない?」
えぇ!?
「あり得ないよ。だって私は隼人君のことが、好きな訳だし…」
奈美は面白そうに"ふーん"って、考え込むと
ニヤっと笑って
「その内♪その内♪」
またそう言って、私を混乱させた。
「"その内"ってなに?」
「その内自分の気持ちに気づくって。」
「奈美は私の気持ち分かってるんでしょ?じゃぁ、教えてよ!」
「私が今言ったって、さとは認めないよ。だから、自分で気づく事が一番なの。」
「何それ?意味分からない。」
「その内分かるって。」
強引に話しを切り上げた奈美は、荷物をカバンに入れて
「帰ろ。」
「うん。」
"バイトがあるから"と、そそくさと帰って行った。
あれ…?奈美バイトしてたんだ。

