「なぁ?」
――……
……
「おい!」
「へぇ!?」
「へぇ!?じゃねーよ。」
「ごっごめん。なに?」
「お前が言うベンチ君って、もしかして隼人?」
"隼人"って名前を聞いただけで、ドキッとしてしまう。
こりゃ重症かもしれない。
「えぇ!?あぁ…あぁ?」
何言ってんだろ私。変人じゃん。
「奇声出してんじゃねーよ。アホ。」
きっ奇声!?
「奇声って何よ!女の子に失礼でしょ!」
「あっそ。」
ほらまた…都合が悪くなったり、面倒くさくなるといつも"あっそ"なんだから。
そんな子供みたいな潤が、少し可愛く見えてしまう。
でも、そんなことを思っている自分にも、物凄くびっくり。
私は…何を言ってんの?
好きな人はベンチ君。
今日もまた、会って、初めて話して…好きだということを、物凄く実感したはずなのに。
心の片隅では、いつもアイツの笑ってる姿はちょっとだけでもあって…
それがますます私を混乱させる。

