「さと、転校生と一緒のクラスなんでしょ?」
「うん。」
「どう?性格いい?」
「えっ…」
ここはキッパリと、性格悪いって言った方がいいの?それとも…
「まだ分かんないよ。」
まだ初日だし、もしかしたら昨日のは幻覚だったのかもしれない。
初日だけで、人を判断してはいけないと思ったから、無理矢理自分を納得させる。
「そっかぁ。まぁ、あんだけ皆騒いでんだから、いい男なんだろうな♪」
男に目がない由美子。狙う気満々みたいだ。
それにしても、この騒ぎあの転校生君が原因か。
あり得ない!皆早く気づけ!
やっぱりこう思ってしまうのは…私の性格の悪さなのかも。
――キンコーンカンコーン
やっとチャイムが鳴って、それぞれの教室に渋々戻って行く生徒達。
そんなに転校生君はいい男なのだろうか?
いい男だけど、絶対いい男って認めるもんか。
そう思ってズカズカと自分の席に着いた。

