一ノ瀬は、満面の笑み+頬杖をついて、私のシャーペンを回していた




最悪だ…最悪すぎる……




「これ、いらないの?」




「い、いります……」




「はい」ニコッ__




手を少し前にだして、シャーペンを私に突き出した




よかったぁ〜素直に返してくれるんだ…



「ありがとう……?」




ってあれ?なんで離してくれない
の?




一ノ瀬はあの張り付いた笑みでシ
ャーペンを離なさず、ずっとこっちを見ている




「あ、あの、返してくれなっ」




「みんな信じてくれた?」




…き、気づいてたんだ……




「う、うるさい」




私は、恥ずかしくなって、
シャーペンを早く返して貰おうと一ノ瀬の顔を見た




「やっと、顔見た」ニコッ__




また、あの嫌いな顔……




そのとき目が合って、顔に熱が集まるのが自分でもわかった




また私が俯こうとすると、
手を引っ張られた




「バーカ」




あの嫌いな甘ったるい声で私に囁いた




もー…心臓うるさいよ……




このあとの授業なんか集中できるわけがなかった