「この度は私の誕生会にお越しいただきありがとうございます。」
パチパチ……(拍手)
親父のスピーチが始まった。
「本日は皆様にお伝えしたいことがあります。私の息子、佳祐の婚約者を発表いたします。」
おい、
まさかそのために……
「朱雀院家のご長女、朱雀院 美咲さんでございます。」
俺と美咲にスポットライトが当たる
婚約者をこのタイミングでって
親父のやつ蛍をエサに使ったな、
普段なかなかパーティーには参加しない俺が蛍のことで話にくると踏んで
「佳祐様……」
「やられたな……。」
こんなに大勢の前での婚約発表
相手は朱雀院家ともなれば
婚約話を覆すのは難しい……
*******
俺はホテルの親父が泊まる部屋に向かっている。
部屋に入ると親父が待っていた
「そう怒るな、そこに座れ。」
「どういったつもりだ!?」
「賢いお前ならわかってると思ったんだがな。」
親父が考えている事ぐらい気持ち悪いぐらいわかるんだよ!
「……。
とにかく俺は朱雀院家との婚約はしない。」
「そうはいかんな。
お前はあれか、柏木蛍の事が気になっているのか?」
「そうだ。」
親父には今更隠したとろころで…
何も変わらない。
「女一人に手を出せないやつが。」
「!!??。」
「あれはイイ声で鳴くぞ。
ハジメテでそれに若いのはやはり締りが違うな。
そうか!お前は試してないんだったな」
ハッハッハッ
親父の笑い声、
今なんて言った!?
ハジメテ……だって、
親父の胸ぐらを掴んで、
「蛍の合意の上でだよな!」
これだけは確認しなければならない。
「どうだったかな。」
SP達に親父から引き剥がされ、
俺は床に押さえつけらた。
クソッ!!!
「離せっ!!!」
「佳祐様!!!」
ハッ!
俺は頭に血が登りすぎているようだ
「もう何もしないからお前ら離せ。」
親父のSP達から解放された
「相変わらず、光輝の言うことは聞くんだな。」
「これだけは言っておく何があっても美咲とは付き合わないし結婚もしない。」
「……。」
******
「おじ様の企みが婚約発表だったとはね。私も知らされてなかったわ。」
「俺はお前と婚約する気はないぞ。」
「する気は無くても、避けて通れない道よ。婚約は家同士で決まった話よ。」
「俺は家を継ぐ気はない。」
「……。」
「俺はもう帰る。」

