佳祐side
「とうとう明日やな親父さんの誕生会。」
「あぁ、」
「俺は行けへんけどほんまに大丈夫?」
「来てくれと頼んでも来ないやつが」
「だって、佳祐の親父さん苦手やもん。それにこの誕生会には親父と兄貴が行きたいやろうし……
後次ぐ気のない俺が行っても利益にはならんしな。」
「確かにそうだな。」
この誕生会には親父に媚びを売りたい連中が集まるパーティーだからな
「なんかあったら椎本さんがフォロー入れてくれるからなんとかなるやろうし」
「明日頑張って蛍ちゃん取り返してこいや!」
「そうだな。」
*******
-誕生会-
「お前が来るのは珍しいな。」
「お父様の御生誕を祝う会ですから、私が出席するのはおかしな話ではないでしょう。」
「これが終わった後に私が泊まる部屋に来なさい。
お前と少し話をしよう。」
「わかりました。それでは後ほど伺わせて頂きます。」
これから面倒な時間が始まる
東屋の名前を狙って、自分の娘を売り込んでくる奴やグループの話やら
「ふぅ……」
考えてるだけでも面倒だ……
えっ……、
あの後ろ姿は、
蛍……
1週間ほどぶりに見る。
そうか、
給仕の全員が家の使用人か……
学校では見ることが出来なくなってしまってから蛍が心配だった。
あいつ、細いのに
更に痩せたな……
ちゃんと食ってるのか?
「佳祐様!」
「なんだ光輝(椎本)?」
「佳祐様とお話をしたいと仰られている方々がこちらに」
「あぁ、そうか。」
客たちと話している間でも蛍のことを目で追いかけてしまう。
話がひと段落ついたところで
「蛍さんがこちらにいるとは気づきませんでした。申し訳ございません。」
「彩名が今、妊娠プログラム中だら入ってくる情報が少ないのは仕方ないだろう。」
「佳祐様、お久しぶりでございます。」
「暫くだな、じぃに婆や」
光輝(椎本)の祖父母
「光輝はちゃんと仕事を出来ているでしょうか?」
「ああ、よく働いてくれている。」
「勿体ないお言葉ありがとうございます。」
「それならいいのですが、これからも光輝をよろしくねお願いします。」
「ああ。」

