「いらっしゃいませ。どうぞ奥の部屋に御主人がお待ちです。」
玄関を開けると歳をとっている使用人らしき人が案内をしてくれた。
「御主人様、柏木さんがご到着なされました。」
「通せ。」
「失礼します。」
そこは立派な茶室だった。
「そこに座りたまえ。それから一服してくれ。」
私は指された所に座る
お茶菓子と佳祐のお父さんが点てたお茶が出された。
「お点前頂戴いたします。」
この主菓子
美味しいけど高いんだろうな。
「結構なお点前で。」
少しの間沈黙が続いたが、
「さぁ、君の返信を聞かせてもらおう。」
「こちらで住み込みで働かせてください。」
「決心してくれたか。」
きっと、私の荷物を見て私の返信はわかっていただろうに
それなのに
この人はあえて私に問うた
「椎本。」
「はい。」
椎本と呼ばれて出てきたのは私をこの部屋まで案内してきてくれた人だった。
えっ、でも椎本!?
「蛍さん、孫の光輝がお世話になっていました。」
孫!?
「椎本、後のことは任せたぞ。」
「承知致しました。それでは会議に行ってらっしゃいませ。」

