笑って抱きしめて



コツンコツン


「へ、誰かくる。」


今、私と橘がいるのは学校の屋上。

ここにはいつも、私達しかいない。


出入り禁止だけど、鍵が閉まっていないことは

私達くらいしか知ってる人がいない。


「隠れるぞ。」


橘に手を引かれ、屋上にあるタンクのようなものの陰に身を潜めた。



屋上のドアがあき、入ってきたのは


「先輩!」


先輩と先輩の幼なじみである女の人。


また心が痛くなる。


いやなとこ見ちゃったな。