頭をポンポンとする。


なにそれ、また心が破れちゃうよ。


「泣きたいんだろ?おいで。」


橘はそう言って腕を広げた。


おいでってこと?子供扱いされてる。


「励ましてくれなくていい。」


そう言って、橘の隣をすり抜けて


外に出る。


言葉とは裏腹に複雑な感情がまた溢れ出そうになる。



「かわいくねぇな。でも、お前のこと気に入ったかも。」


今日から彼のことは悪魔と呼ぼう。

私の心をこじ開けようとする、無責任な、悪魔。