私の手が当たった男は
右頬が少し赤くなっていた。




「ごめんなさい!」


一応誤っておいた。
手が当たったことに間違いはないし。



それでも男の怒りは
収まらなかったらしい。



「何すんだ!!!」


なんて叫んで拳を振り上げる。

反射で殴られると思った私は
目をつむってこれから起こるであろう
衝撃に耐えるべく歯を食いしばった。



でも痛みが訪れることはなく
不思議に思い恐る恐る目を開けると、




目の前に銀がいた。




いや、正式には
あったと言った方がいいだろう。




私の目の前にはキラキラと輝く星のように銀髪が広がっていた。