もうなんか
一生懸命話しかけている不良に
同情してしまいそうなほどに無視している。
「ねぇー、行こよー」
その言葉と同時に一人の不良に
腕を掴まれた。
え。
グイグイ引っ張ってくる不良。
反射で足を踏ん張る私。
「は、離して!」
やっとのことで声が出た。
それでも不良はお構いなしに
引っ張ってくるから
腕がちぎそれそうなほど痛い!
痛みに耐えれず力いっぱい腕を上に振り上げた。
パシンッ!
それはまるでスローモーションのように
腕を引っ張っていた不良の顔に命中した。
いや、当てるつもりはなかった
ただ、手が痛かったから
振り解こうと思っただけだったのに。
