大好きなんです【短編集】



病室に入ったとき、私は目の前の状況が信じられなかった。


いつも笑顔の章太が、こんな風になっていることが。


ぴくりとも動かない章太。


私は一番に章太の横に行って、声をかけた。



「章太...章太っ?!

ねえ起きてよ、嘘でしょ、章太っ」



身体を揺さぶってみても、全く反応はない。


嘘だ、こんなのありえない。


だって、少し前まで普通に話してたのに。


デートだってする予定だったのに。


現実を受け入れられなくて、私は必死に章太に声をかけ続けた。