大好きなんです【短編集】



___あれは去年の秋のこと。



「分かった、じゃあファミレスの前で待ってるね」


「おう、よろしく」



その日私達は、デートの約束をしていた。


先に集合場所に着いたのは私。


電話で章太から、少し遅れると連絡があったからあまり心配もしなかった。


でも、何分待っても章太は来ない。


不思議に思って電話をかけると、



「もしもし章太? 今どこ?」


「あっ、章太さんのお知り合いですか?!」


「...え、そうですけど...

誰ですか?」


「救急隊員の者です。

大変です、章太さんが事故で__」



その救急隊員から内容を聞いたとき、声も出なかった。


とにかく全身が震えて、まともに立つこともできなかった。


それから必死で病院に駆けつけた。


ただただ、章太のことが心配で。