大好きなんです【短編集】



「じゃあ真子、大翔くんとゆっくりしなさい。

後でケーキ持ってくからね」


「はあーい」



そう言って、お母さんは鼻唄を歌いながらキッチンへと消えた。



「あたし達も二階行こっか」


「おー」



階段を上って左に曲がったところが、あたしの部屋。


大翔が来る前に頑張って掃除したから、ちょっと広く見えるかも。


部屋に入った途端、大翔の緊張が解けたみたい。


肩の力を抜いて、大きく息を吐き出した。



「ふぅーっ、緊張したー」


「もう大翔面白すぎ!

そろそろ慣れてよー」


「無理。ぜってー慣れない」



でも、それだけ大事に思われてるってことなのかな。


そうだとしたらすっごい嬉しい...