大好きなんです【短編集】



「な? 頼むよ」



両手を合わせて頼み込んでくる和輝。


その姿を見てたら、断れるわけもなく。



「...分かったよ」



と答えてしまった。


それを聞いて、和輝は嬉しそうに顔を上げる。



「ほんとか?!」


「おう」


「よっしゃ!」



俺だって大月が好きなんだよ。


そう言えたら、どんなに楽だっただろう。


明日から俺、どんな顔して大月と接すれば良いんだよ。


そんな考えを打ち消すように、



「...大会、頑張ろうな」



と呟いた。