大好きなんです【短編集】



「それでさ」



和輝が、ちょっと言いにくそうに頭をかく。



「俺、次の大会で勝ったら...

大月に告ろうと思ってさ」


「!!」



最悪だ。


最悪の展開だ。


大会で勝ったらマネージャーに告るって...


何だよそれ、漫画みたいじゃん。


こうなったら、俺の気持ちも言ってしまおうか。


そう思った次の瞬間、



「頼む、怜央も協力してくれね?

お前、大月のこと好きじゃねーんだろ?」


「あ...」



和輝の真剣な目を、真っ直ぐ見ることができなかった。