大好きなんです【短編集】



「...あのさー」


「ん?」



帰り道、和輝が口を開いた。


その声色は、いつもよりちょっと真剣な感じがした。



「お前、大月のことどう思う?」


「大月?」



急にどうしたんだ、こいつ?


もしかして、俺の気持ちがバレてるとかじゃねーよな...


変に緊張しながら、和輝のほうを見る。



「ほら、マネージャーの大月。

どう思う?」


「いや、別に...なんとも」



俺は、嘘をついた。