大好きなんです【短編集】



__そして、土曜日。



「お邪魔、します」


「あらー、いらっしゃい大翔くん」



いつもよりも固い表情でやって来た大翔。


お母さんに対して緊張してるのが見え見えで...


ダメだ、どう頑張っても笑える...っ。


大翔は、そんなあたしを横目で睨みつける。



「あの、コレ。

うちの親が焼いたケーキです。

良かったら食べてください」


「えっ! まあそんな、有難うね」


「いえ」



差し入れまで持って来てくれたんだ。